Sourcetreeは、初心者でも操作しやすいgitのGUIツールです。基本無料のソフトなので、あらゆる人が導入・利用しやすいという利点を持ちます。ですが、GitHubで非公開、つまりプライベートのリポジトリを取り扱う場合には、初期設定に一工夫が必要です。
本記事で紹介する設定の流れは以下の通りです。前提として、1)GitHubのアカウントとプライベートリポジトリを既に所有しているが、2)Sourcetreeを自身のPCにまだインストールしていない状態を想定しています。
- GitHubのPersonal access tokenを作成する
- Sourcetreeを自身のPCにインストールする
- SourcetreeにGitHubのアカウントを登録する
- プライベートリポジトリをクローンする
1. GitHubのPersonal access tokenを作成する
GitHubのPersonal access tokenとは、GitHub API またはコマンドラインを使用するときに GitHub への認証でパスワードの代わりに使用できる機能です。このトークンを自身のGitHubアカウントで作成することで、Sourcetreeからプライベートリポジトリにアクセスすることができるようになります。具体的な作り方は下記のGitHub公式ページををご参考ください。
Personal access tokenの作成方法:
https://docs.github.com/ja/github/authenticating-to-github/keeping-your-account-and-data-secure/creating-a-personal-access-token
ポイントは手順8に書かれているScopes、つまり権限の選択です。作成したトークンで何をすることができるかを選択することができるのですが、その中から「repo: Full control of private repositories」にチェックを入れることで、プライベートリポジトリを操作することができるようになります(下図赤線参照)。
2. Sourcetreeをインストールする
次に、自身のPCにSourcetreeをインストールします。すでにインストールが完了している場合はこの章をスキップし、「3. SourcetreeにGitHubのアカウントを登録する」にすすんでください。Sourcetreeのセットアップexeファイルは以下の公式ページからダウンロードすることができます。
https://www.sourcetreeapp.com/
ダウンロードしたセットアップexeファイルを実行すると、Sourcetreeのセットアップが始まります。最初の画面では、Bitbucketのアカウントに紐づけるか否かを尋ねられます。BitbucketはGit管理ウェブサービスの一種で、GitHubと同種のサービスです。BitbucketとSourcetreeはどちらも、オーストラリアのソフトウェア企業Atlassianが運用しているので、最初に紐づけるかどうか尋ねられます。Bitbucketのアカウントを持っていない場合は、「スキップ」を押してください(下図赤枠参照)。
次に、Gitを自身のPCにインストールするか否かを尋ねられます。すでに入っている場合には、Gitの記述の左横にチェック欄がないですが、まだはいっていない場合にはチェック欄がありますので、チェックをいれて「次へ」ボタンを押してください(下図赤枠参照)。Gitの記述の下にある「Mercurial」はGitとは異なる分散型バージョン管理システムソフトウェアです。得に不要の場合はチェックをいれないでください。
次に、名前とメールアドレスを入力する画面になります。この情報はこのPCのSourcetreeからGitHubにコミットしたときに表記されます。ですので、誰が作業したのかわかるような名前と連絡先として有効なメールアドレスを入力して、「次へ」を押してください(下図赤枠参照)。
最後にSSHキーの読み込みに関して尋ねられます。windowsでSSH接続をする場合にはSourcetreeとは別に、SSHエージェントソフトウェアを起動して紐づける必要があります。今記事で紹介する手法では、SSH接続を実施する事はありませんので、「いいえ」を選択してください(下図赤枠参照)。
3. SourcetreeにGitHubのアカウントを登録する
それでは、SourcetreeにGitHubのアカウントを登録しましょう。「New tab」の表示の中に「Remote」のボタンがあります。ボタンをクリックしますと、下図のような画面になります。その中にある「アカウントを追加」をクリックしてください(下図赤下線参照)。
- ホスティングサービス: GitHub
- 優先するプロトコル: HTTPS
- 認証:OAuth
こうしますと、GitHubのアカウントが画面上に追加されます(下図赤枠参照)。この状態で、ちゃんとPersonal access tokenが認識されているか確認してみましょう。左下の「アカウントを編集」をクリックしてください(下図赤下線参照)。
そうすると、オプションの認証画面が表示されます。そこの「Git 保存されたパスワード」に「github.com」が表示され、ユーザー名が「Personal Access Token」となっていたら、成功です(下図赤枠参照)。
4. プライベートリポジトリをクローンする
早速、プライベートリポジトリをクローンしてみましょう。クローンしたいリポジトリの右に表示されている「Clone」をクリックしてください(下図赤枠参照)。もし、クローンしたいリポジトリが表示されない場合は、下図赤下線を選択し、リポジトリがあるアカウントまたはオーガナイゼーションを選択してください。
次にクローンの画面に映ります。いろいろと設定がありますが、基本的には下図に振られた各番号の箇所を確認しましょう。
- ①リポジトリURL: 意図したリポジトリURLと合致しているか確認しましょう。
- ②クローンするフォルダパス: 「自身のgitをまとめたフォルダ/リポジトリ名」とするのがおすすめです。その際、パスに日本語が混ざらないようにしましょう。ソフトウェアによっては(Pythonの統合開発環境Spyderなど)、パスに日本語が混ざってしまうとフォルダを正しく認識することができず、ソフトウェアが起動しない等のバグを引き起こすことがあります。
- ③ローカルレジストリ名: 特別な理由がない限りは、リモートリポジトリ名と同一にしましょう。
ですが、下記のようなポップアップが現れて、何度もアカウントとパスワードを入力してもクローンできない場合があります。
WindowsにインストールされているGitのバージョンが古い可能性があります。SorcetreeからインストールされているGitのバージョンを確認するには、左上の「ツール」をクリックした後、「オプション」、「Git」と選択して、表示されているポップアップを下にスクロールすると現れる「Gitバージョン」を確認してください(下図赤枠、赤下線参照)。
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